遺言について
遺贈とは?相続人以外に財産を残す方法と税金
遺言によって財産を贈ることを「遺贈」といいます。お世話になった人や、子の配偶者、団体などにも財産を残せます。包括遺贈と特定遺贈の違い、税金、受け取る側が断る方法まで説明します。
この記事のポイント
- 遺贈を使えば、相続人ではない人や団体にも財産を残せます。
- 「財産の3分の1を」と割合で贈る包括遺贈と、「この土地を」と物を決めて贈る特定遺贈があります。
- 相続人以外が受け取ると、相続税が2割増しになるなど、税金の扱いが変わります。
包括遺贈と特定遺贈
包括遺贈
- 「全財産の3分の1を」と割合で贈る
- 借金も同じ割合で受け継ぐ
- 相続人と一緒に遺産分割協議に加わる
- 断るときは3か月以内に家庭裁判所へ
特定遺贈
- 「〇〇の土地を」「預金300万円を」と決めて贈る
- 遺言で特に決めなければ、借金は受け継がない
- 遺産分割協議に加わる必要がない
- 断るときは、いつでも相続人などに伝えればよい
遺贈と相続の違い
| 相続(相続人が受け取る) | 遺贈(相続人以外が受け取る場合) | |
|---|---|---|
| 受け取れる人 | 法律で決まった相続人 | 遺言で指定した人・団体 |
| 相続税 | 通常の税額 | 配偶者・子・父母以外は2割増し |
| 不動産の登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4% | 2% |
| 不動産取得税 | かからない | 特定遺贈ではかかる |
孫に遺贈する場合も、子が先に亡くなっていて孫が代わりに相続人になる場合を除き、相続税は2割増しになります。
団体への寄付(遺贈寄付)
国や自治体、公益法人、NPO法人などに、遺言で財産を寄付することもできます。法人が受け取る場合は、相続税はかかりません。ただし、不動産や株式を法人に遺贈すると、値上がりした分に所得税(みなし譲渡所得税)がかかる場合があり、受け付けているのが現金だけという団体もあります。事前に寄付先に確かめておきましょう。
遺贈で気をつけること
- 遺言書の中で、遺言執行者を決めておく
- 受け取る人の氏名・住所・生年月日まで書く
- 相続人の遺留分に配慮する
- 「あげる」「任せる」などあいまいな書き方をする
- 受け取る人が先に亡くなった場合を考えていない
受け取る人が遺言者より先に亡くなっていると、その遺贈は効力を失い、その人の子が代わりに受け取ることもできません。「先に亡くなっていたら〇〇に」と予備の受取人を決めておくと安心です。相続人ではない人への遺贈は、相続人の協力が得にくいこともあるため、遺言執行者を決めておくことをおすすめします。
参考:民法(第964条、第986条、第990条、第994条)、国税庁「相続税額の2割加算」
よくある質問
遺贈と相続の違いは何ですか?
相続は法律で決まった相続人が受け継ぐことで、遺贈は遺言によって相続人以外の人や団体にも財産を贈ることです。
孫に遺贈すると相続税は高くなりますか?
子が先に亡くなっていて孫が代わりに相続人になる場合を除き、孫が受け取ると相続税が2割増しになります。
遺贈は断ることができますか?
できます。特定遺贈はいつでも相続人などに伝えれば放棄でき、包括遺贈は相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続きします。
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