相続について
相続税の基本としくみ|基礎控除・計算方法と最近の改正
相続税がかかるのは、遺産が「基礎控除」を超える場合だけです。基礎控除の計算、相続税の計算の流れ、配偶者や自宅の土地の特例、2015年と2024年の改正のポイントまで、図で説明します。
この記事のポイント
- 相続税がかかるのは、遺産が3,000万円+600万円×法定相続人の数を超える場合です。
- 配偶者の特例や自宅の土地の特例で、税額が大きく下がることがあります(ただし申告は必要)。
- 2024年から、亡くなる前の贈与を足し戻す期間が3年から7年に延びました。
相続税がかかるかどうか
3,000万円+600万円×法定相続人の数。遺産(借金と葬式費用を引いた後)がこれ以下なら、相続税はかからず申告もいりません。
2015年の改正で基礎控除が4割減り、相続税がかかる人が増えました。今では、亡くなった方のおよそ10人に1人が相続税の対象になっています。
相続税の計算の流れ
- 遺産を合計生前贈与・生命保険金なども足し、借金・葬式費用を引く
- 基礎控除を引く残りが「課税遺産総額」
- 法定相続分で分ける実際の分け方に関係なく、仮に分ける
- 税率をかけて合計これが相続税の総額
- 実際の取り分で分担特例や控除を引いて各自の税額に
計算の例
基礎控除は 3,000万円+600万円×3人=4,800万円。課税遺産総額は 1億円−4,800万円=5,200万円。
配偶者 2,600万円×15%−50万円=340万円
子 1,300万円×15%−50万円=145万円(×2人)
相続税の総額は 630万円。配偶者が半分を受け取れば、配偶者の分は特例でゼロになり、子2人で約315万円を納めます。
相続税の税率
| 法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | ― |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
主な特例・控除
- 配偶者の税額軽減:配偶者が受け取る遺産が1億6,000万円まで、または法定相続分までなら、配偶者に相続税はかかりません
- 小規模宅地等の特例:亡くなった方の自宅の土地を配偶者や同居の家族が受け継ぐと、330㎡まで評価額が80%下がります
- 生命保険金・死亡退職金の非課税:それぞれ500万円×法定相続人の数まで非課税
- 未成年者控除・障害者控除:相続人が未成年や障害者の場合に差し引けます
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使うときは、税額がゼロになっても申告が必要です。
申告と納付の期限
亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、亡くなった方の住所地の税務署に申告し、納付します。遺産分割がまとまっていなくても期限は延びないため、特例を使えるよう早めに準備しましょう。
最近の主な改正
- 2015年基礎控除が4割減る5,000万円+1,000万円×人数 → 3,000万円+600万円×人数。最高税率も55%に
- 2024年生前贈与の足し戻しが7年に亡くなる前3年 → 7年に段階的に延長。生前贈与を参照
- 2024年相続時精算課税に年110万円の控除110万円までの贈与は、相続財産に足し戻さなくてよくなった
相続税の申告や節税の具体的なご相談は税理士の業務です。遺言書や遺産分割の段階から税理士と連携している専門家に相談すると、手続き全体をスムーズに進められます。
参考:国税庁「相続税の計算」、国税庁「相続税の税率」、国税庁「配偶者の税額の軽減」「小規模宅地等の特例」
よくある質問
相続税がかかるのはどんなときですか?
遺産(借金と葬式費用を引いた後)が、3,000万円+600万円×法定相続人の数を超える場合です。
相続税の申告期限はいつですか?
亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割がまとまっていなくても期限は延びません。
配偶者が相続すると相続税はかかりませんか?
配偶者が受け取る遺産が1億6,000万円まで、または法定相続分までなら配偶者に相続税はかかりません。ただし特例を使うには申告が必要です。
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