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任意後見とは?判断能力が衰えたときに備える契約

更新 監修:行政書士 渡邉 徳人

任意後見は、元気なうちに「将来、判断能力が衰えたら、この人にこれを任せる」と決めておく契約です。家庭裁判所が後見人を選ぶ法定後見との違い、契約の種類、始まるまでの流れと費用を説明します。

この記事のポイント

  • 任意後見は、自分で後見人を選び、任せることを決めておける制度です。
  • 契約は公正証書で結び、判断能力が衰えたあと、家庭裁判所が監督人を選んだときから始まります。
  • 遺言書と組み合わせると、生きている間と亡くなった後の両方に備えられます。

任意後見と法定後見の違い

2つの後見制度
任意後見
  • 元気なうちに、自分で後見人を選べる
  • 任せる内容を、自分で決めておける
  • 家庭裁判所が選ぶ「任意後見監督人」がつく
  • 本人がした契約を取り消す権限はない
法定後見
  • 判断能力が衰えた後に、家族などが申し立てる
  • 後見人は家庭裁判所が選ぶ(家族とは限らない)
  • 本人に不利な契約を取り消せる
  • 原則として本人が亡くなるまで続く

任意後見が始まるまで

任意後見の流れ
  1. 任せる人と内容を決める家族・専門家など。財産管理や介護の契約
  2. 公正証書で契約公証役場で任意後見契約を結ぶ
  3. 判断能力が衰えるそれまでは本人が自分で判断
  4. 監督人の選任を申立て家庭裁判所に申し立てる
  5. 任意後見の開始後見人が契約どおりに支援する

3つの契約の形

形内容向いている人
将来型任意後見契約だけを結んでおく今は元気で、将来に備えたい
移行型今から財産管理などを任せる契約と、任意後見契約を一緒に結ぶ体が不自由で、銀行の手続きなどを今から任せたい
即効型契約後すぐに任意後見を始める判断能力が少し衰え始めている

費用の目安

  • 公正証書の作成手数料(1万数千円程度。ほかに登記の費用などがかかります)
  • 専門家に契約書の作成を依頼する場合はその報酬
  • 任意後見が始まった後の監督人の報酬(家庭裁判所が決める。財産の額によって月5,000円〜3万円ほどが目安)
  • 後見人の報酬(契約で決める。家族なら無報酬とすることも)

あわせて考えたい備え

  • 遺言書:任意後見は本人が亡くなると終わります。亡くなった後の財産の分け方は遺言書で
  • 死後事務委任契約:葬儀や納骨、病院の支払い、住まいの片付けなどを任せる契約
  • 家族信託:家族に財産の管理を任せ、不動産の売却なども柔軟にできるようにする方法

身寄りがない方、子どもが遠方に住んでいる方は、これらを組み合わせて準備しておくと安心です。

参考:法務省「成年後見制度・成年後見登記制度」、裁判所「任意後見監督人選任」、日本公証人連合会

よくある質問

任意後見と法定後見の違いは何ですか?

任意後見は元気なうちに自分で後見人と任せる内容を決めておく契約で、法定後見は判断能力が衰えた後に家庭裁判所が後見人を選ぶ制度です。

任意後見はいつから始まりますか?

判断能力が衰えた後、家庭裁判所が任意後見監督人を選んだときから始まります。

任意後見契約はどうやって結びますか?

公証役場で公正証書により結びます。

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